過疎の村狙われた

2013年07月31日 08:12
福島県 鮫川村で、世界で初めて1万ベクレル/kg を超える高濃度の放射性廃棄物を焼却する予定の「仮設」焼却炉で「確認運転」が始まった。
地域住民の反対の声は無視されている。1歳2か月の娘がいる住民は、「何かあったら、誰が責任とってくれるの? 原発事故でさえ、誰も責任とってないのに。うちは1kmしか離れてなくて、谷づたいに煙がくる・・・」
全国から反対の声が上がってほしい。

◆鮫川村の焼却炉の話は『ひどいね』・・・
(2013-07-24 マガジン9 おしどりマコ・ケン)から抜粋

 2013年7月18日は福島県の鮫川村に行ってきました!
 鮫川村に、1万ベクレル/kgを超える高濃度の放射性廃棄物を焼却する、「仮設」焼却炉が作られてしまい、その確認運転が始まったのです。
 1万ベクレル/kgを超える農林業系廃棄物の焼却炉の実証事業は世界で初めてなんですって。なのにさ! 民家と1kmしか離れていないの!

 その「1kmしか離れていない」おうちに住む土手内進さん(33歳)には1歳2か月の娘ちゃんがいます。

 「何かあったら、誰が責任とってくれるの? 原発事故でさえ、誰も責任とってないのに。うちは1kmしか離れてなくて、谷づたいに煙がくる位置なんだよね。うちの子になんかあったらどうすんの? 何かあってから、責任とるっつっても、どうしようもないよね」

 7月16~18日に確認運転をし、その結果をもって8月半ばから20か月間焼却し続けます。焼却灰はセメント固化して、一次保管場所に置くそうなんだけど、その後どうするの? 

環境省の指定廃棄物チームに取材しました。

 「20か月後には焼却場は撤去することになっています。なので、一次保管場所の焼却灰は、管理型の最終処分場が確保されしだい、そちらに移すことになるでしょう」

――でも、現時点で、最終処分場は決まってませんよね?

 「そうですね、でも20か月後には決まってると思いますよ」

***

鮫川村の「仮設」焼却場はかなり強引にできたのです。

 はじめ、地元の方々に非公開で計画が進められ、その存在を知ったときは、すでに工事が着工していたのですね! 
 そんなことあるの? と思うでしょ。地権者にだけ説明をし、計画が動き始めたのです。 しかも、このときの説明は「焼却場」ではなく「仮置き場」。これが2012年4~6月の話。

 10月に焼却施設の工事が始まり、同時に近隣の塙町、いわき市の人たちが気づいて動き始めます。鮫川村に公開質問状を出したり、市議会で質問するよう議員に働きかけたり。

 12月にダイオキシン特措法などの手続きをしていないことがわかり工事がいったん中断。でも福島県が許可してすぐに再開。

 1月に水道水源が焼却施設の下にあるいわき市が説明会を求めたり、2月にお隣の北茨城市の市長が「これだけ近隣住民の反対があっても続けるのか」と環境省に迫ったり。

 で、再度工事が中断して、鮫川村長が「稼働は住民合意の上で」と明言し、2月3月と説明会を近隣各地で開くのだけれど、説明会は大荒れだったそう。

 5月には、お父さまが建設予定地の地権者の一人である土手内くんが環境省へ即時撤回を求める申し入れ書を出すのですが、工事が再開してしまうのです!

土手内進くんの申し入れ書(クリックで拡大します)

 6月末に、「鮫川村の実証実験焼却炉に反対し、子供を守るママの会」と環境ジャーナリストの山本節子さんが鮫川村に申し入れ書を出し、交渉するのですね。

 そのとき、鮫川村は、全員の同意が必要なことを認識していながら、半数以上の地主の同意によって建設を認めてしまったのは、環境省の「示唆」によったことを認めたけど、その根拠は知らない、とのこと。すぐに根拠を確認するよう申し入れたけど、環境省から回答は無し。

 そして7月! 焼却施設は完成して、確認運転が始まったというわけ!
 ね、かなり強引でしょう?

 7月18日の確認運転は5,800ベクレル/kgの稲わらを150kg、100ベクレル/kgの牧草を1350kg焼却しました。

 堀川宗則さん(58歳)にもお話を伺ったけど驚きましたよ!
 「自分は、同意書に署名捺印していません。そのときの同意書は焼却場でなく、仮置場だったけれど(これもヒドイ話! 仮置場の同意書として署名したら、焼却場の同意書のことになっていた、という地権者の方もいらっしゃいましたよ!)、自分は仮置場の同意書にも署名捺印していない。

 しかし、全員の同意書があることになって、焼却場の建設が進められました。そんなはずはない、堀川宗則の同意書があるはずない、全員の同意書があるのなら、私の同意書を見せてほしい、と村に申し立てをしました。回答は、2週間後に『開示するかどうか通知』です。

自分の同意書なのに、なんですぐに見られないの? しかし、私の同意書なんてあるはずがない。説明会にも一度も出席したことはないし、何も署名捺印したことはないんだから。偽造であれば、有印公文書偽造で訴えることも考えています」

 ないはずの自分の同意書の開示を村に求めたのは7月12日。2週間後というと7月26日ですね。もうすぐ。

 でも、7月16~18日に焼却の確認運転が始まっちゃったんだよね!

 宗則さんのお話を伺えば伺うほど、悲しくなりました。

 「めちゃくちゃすぎて話になりません。人の土地にガラッと入ってきて、何の承諾も無くやれるんですか。今後、焼却炉は破壊してもらいたい。すぐに元に戻してもらいたい。ここは日本なんですか? 民主主義ってこういうことなんですか?」

・・・・・・・・・

ぜひ、全文を読んで下さい。
https://www.magazine9.jp/oshidori/130724/

※写真は東京新聞から
福島県 鮫川村で、世界で初めて1万ベクレル/kg を超える高濃度の放射性廃棄物を焼却する予定の「仮設」焼却炉で「確認運転」が始まった。
地域住民の反対の声は無視されている。1歳2か月の娘がいる住民は、「何かあったら、誰が責任とってくれるの? 原発事故でさえ、誰も責任とってないのに。うちは1kmしか離れてなくて、谷づたいに煙がくる・・・」
全国から反対の声が上がってほしい。

◆鮫川村の焼却炉の話は『ひどいね』・・・
(2013-07-24 マガジン9 おしどりマコ・ケン)から抜粋

 2013年7月18日は福島県の鮫川村に行ってきました!
 鮫川村に、1万ベクレル/kgを超える高濃度の放射性廃棄物を焼却する、「仮設」焼却炉が作られてしまい、その確認運転が始まったのです。
 1万ベクレル/kgを超える農林業系廃棄物の焼却炉の実証事業は世界で初めてなんですって。なのにさ! 民家と1kmしか離れていないの!

 その「1kmしか離れていない」おうちに住む土手内進さん(33歳)には1歳2か月の娘ちゃんがいます。

 「何かあったら、誰が責任とってくれるの? 原発事故でさえ、誰も責任とってないのに。うちは1kmしか離れてなくて、谷づたいに煙がくる位置なんだよね。うちの子になんかあったらどうすんの? 何かあってから、責任とるっつっても、どうしようもないよね」

 7月16~18日に確認運転をし、その結果をもって8月半ばから20か月間焼却し続けます。焼却灰はセメント固化して、一次保管場所に置くそうなんだけど、その後どうするの? 

環境省の指定廃棄物チームに取材しました。

 「20か月後には焼却場は撤去することになっています。なので、一次保管場所の焼却灰は、管理型の最終処分場が確保されしだい、そちらに移すことになるでしょう」

――でも、現時点で、最終処分場は決まってませんよね?

 「そうですね、でも20か月後には決まってると思いますよ」

***

鮫川村の「仮設」焼却場はかなり強引にできたのです。

 はじめ、地元の方々に非公開で計画が進められ、その存在を知ったときは、すでに工事が着工していたのですね! 
 そんなことあるの? と思うでしょ。地権者にだけ説明をし、計画が動き始めたのです。 しかも、このときの説明は「焼却場」ではなく「仮置き場」。これが2012年4~6月の話。

 10月に焼却施設の工事が始まり、同時に近隣の塙町、いわき市の人たちが気づいて動き始めます。鮫川村に公開質問状を出したり、市議会で質問するよう議員に働きかけたり。

 12月にダイオキシン特措法などの手続きをしていないことがわかり工事がいったん中断。でも福島県が許可してすぐに再開。

 1月に水道水源が焼却施設の下にあるいわき市が説明会を求めたり、2月にお隣の北茨城市の市長が「これだけ近隣住民の反対があっても続けるのか」と環境省に迫ったり。

 で、再度工事が中断して、鮫川村長が「稼働は住民合意の上で」と明言し、2月3月と説明会を近隣各地で開くのだけれど、説明会は大荒れだったそう。

 5月には、お父さまが建設予定地の地権者の一人である土手内くんが環境省へ即時撤回を求める申し入れ書を出すのですが、工事が再開してしまうのです!

土手内進くんの申し入れ書(クリックで拡大します)

 6月末に、「鮫川村の実証実験焼却炉に反対し、子供を守るママの会」と環境ジャーナリストの山本節子さんが鮫川村に申し入れ書を出し、交渉するのですね。

 そのとき、鮫川村は、全員の同意が必要なことを認識していながら、半数以上の地主の同意によって建設を認めてしまったのは、環境省の「示唆」によったことを認めたけど、その根拠は知らない、とのこと。すぐに根拠を確認するよう申し入れたけど、環境省から回答は無し。

 そして7月! 焼却施設は完成して、確認運転が始まったというわけ!
 ね、かなり強引でしょう?

 7月18日の確認運転は5,800ベクレル/kgの稲わらを150kg、100ベクレル/kgの牧草を1350kg焼却しました。

 堀川宗則さん(58歳)にもお話を伺ったけど驚きましたよ!
 「自分は、同意書に署名捺印していません。そのときの同意書は焼却場でなく、仮置場だったけれど(これもヒドイ話! 仮置場の同意書として署名したら、焼却場の同意書のことになっていた、という地権者の方もいらっしゃいましたよ!)、自分は仮置場の同意書にも署名捺印していない。

 しかし、全員の同意書があることになって、焼却場の建設が進められました。そんなはずはない、堀川宗則の同意書があるはずない、全員の同意書があるのなら、私の同意書を見せてほしい、と村に申し立てをしました。回答は、2週間後に『開示するかどうか通知』です。

自分の同意書なのに、なんですぐに見られないの? しかし、私の同意書なんてあるはずがない。説明会にも一度も出席したことはないし、何も署名捺印したことはないんだから。偽造であれば、有印公文書偽造で訴えることも考えています」

 ないはずの自分の同意書の開示を村に求めたのは7月12日。2週間後というと7月26日ですね。もうすぐ。

 でも、7月16~18日に焼却の確認運転が始まっちゃったんだよね!

 宗則さんのお話を伺えば伺うほど、悲しくなりました。

 「めちゃくちゃすぎて話になりません。人の土地にガラッと入ってきて、何の承諾も無くやれるんですか。今後、焼却炉は破壊してもらいたい。すぐに元に戻してもらいたい。ここは日本なんですか? 民主主義ってこういうことなんですか?」

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ぜひ、全文を読んで下さい。
https://www.magazine9.jp/oshidori/130724/

※写真は東京新聞から